日本への一時帰国や旅行中、スマートフォンやパソコンをインターネットにつなぐために、iPhoneをモバイルWi-Fiルーター代わりに使いたいと考える方も多いのではないでしょうか。
普段使っているiPhoneとは別に、日本用のSIMやeSIMを入れたiPhoneを用意しておけば、テザリングによって家族のスマートフォン、iPad、パソコン、Nintendo Switchなどをまとめて接続できます。
しかし、中古のiPhoneを選ぼうとすると、次のような違いが気になります。
- 物理SIMカードを入れられるか
- eSIMに対応しているか
- 日本とアメリカの回線を同時に使えるか
- MagSafeバッテリーを装着できるか
- 充電端子がLightningかUSB-Cか
- 5G通信に対応しているか
この記事では、iPhone 12シリーズ以降の重要な違いを比較しながら、日本旅行用・一時帰国用・モバイルルーター用として使いやすいモデルを解説します。
最初に確認したい重要ポイント
iPhoneを旅行用やWi-Fiルーター用として選ぶ場合、カメラ性能よりも重要なのが次の5点です。
1.SIMロックが解除されていること
中古iPhoneを買うときは、必ず「SIMフリー」または「SIMロック解除済み」であることを確認します。
設定画面から、次の順番で確認できます。
「設定」
→「一般」
→「情報」
→「SIMロック」
ここに「SIMロックなし」と表示されていれば、原則として他社のSIMやeSIMを利用できます。
2.物理SIMスロットの有無
日本旅行用として、空港や家電量販店で購入したプリペイドSIMを差し込みたい場合は、物理SIMスロットが必要です。
ただし、アメリカで販売されたiPhone 14シリーズ以降は、基本的に物理SIMスロットがなく、eSIM専用です。
一方、日本で販売されたiPhone 14、15、16シリーズには、物理SIMスロットがあります。
さらに、iPhone 17シリーズは日本販売モデルもeSIM専用になっています。つまり、購入国と世代の両方を確認することが重要です。(Apple)
3.eSIMへの対応
eSIMは、SIMカードを差し替えずに通信プランを端末へ追加できる仕組みです。
日本旅行前にオンラインで申し込み、QRコードや通信会社のアプリを使って設定できるため、到着後すぐ通信を始められます。
iPhone 12以降は基本的にeSIMに対応しています。iPhone 13シリーズ以降は、2つのeSIMを同時に有効化するデュアルeSIMにも対応しています。(Apple Support)
4.テザリングが契約プランで認められていること
iPhone自体がテザリングに対応していても、契約する通信会社や料金プランによっては、テザリング容量に上限が設定されます。
たとえば「データ無制限」と書かれていても、テザリングは月30GBまでという場合があります。
端末だけでなく、SIMやeSIMの契約内容も確認しましょう。
5.バッテリーの状態
モバイルルーターとして使うと、iPhoneは通常利用よりも電池を消費し、発熱もしやすくなります。
中古iPhoneを購入する場合は、できればバッテリー最大容量が85%以上の個体を選びたいところです。
長時間のテザリングを予定している場合は、MagSafeバッテリーやUSB-Cモバイルバッテリーを併用すると便利です。
iPhone 12以降の旅行・ルーター用途比較表
以下は、アメリカで購入する場合を中心とした比較です。
| モデル | 発売年 | 米国版の物理SIM | 日本版の物理SIM | eSIM | 同時利用の目安 | MagSafe | 充電端子 | 5G | 旅行・ルーター用途の評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| iPhone 12 mini | 2020 | あり | あり | 対応 | nano-SIM+eSIM | 対応 | Lightning | 対応 | 小型だが電池持ちは弱め |
| iPhone 12 | 2020 | あり | あり | 対応 | nano-SIM+eSIM | 対応 | Lightning | 対応 | 価格重視なら候補 |
| iPhone 12 Pro/Pro Max | 2020 | あり | あり | 対応 | nano-SIM+eSIM | 対応 | Lightning | 対応 | Pro Maxは電池持ちが良好 |
| iPhone 13 mini | 2021 | あり | あり | 対応 | 物理SIM+eSIM、またはデュアルeSIM | 対応 | Lightning | 対応 | 小型旅行端末として人気 |
| iPhone 13 | 2021 | あり | あり | 対応 | 物理SIM+eSIM、またはデュアルeSIM | 対応 | Lightning | 対応 | 総合バランスが良い |
| iPhone 13 Pro/Pro Max | 2021 | あり | あり | 対応 | 物理SIM+eSIM、またはデュアルeSIM | 対応 | Lightning | 対応 | 電池持ち重視なら有力 |
| iPhone SE 第3世代 | 2022 | あり | あり | 対応 | nano-SIM+eSIM | 非対応 | Lightning | 対応 | 安価だが電池と画面が小さい |
| iPhone 14シリーズ | 2022 | なし | あり | 対応 | 米国版はデュアルeSIM | 対応 | Lightning | 対応 | 米国版は物理SIM不可 |
| iPhone 15シリーズ | 2023 | なし | あり | 対応 | 米国版はデュアルeSIM | 対応 | USB-C | 対応 | USB-C重視なら便利 |
| iPhone 16/16 Plus | 2024 | なし | あり | 対応 | 米国版はデュアルeSIM | 対応 | USB-C | 対応 | 電池・充電環境が優秀 |
| iPhone 16 Pro/Pro Max | 2024 | なし | あり | 対応 | 米国版はデュアルeSIM | 対応 | USB-C | 対応 | 長時間利用向きだが高価 |
| iPhone 16e | 2025 | なし | 地域仕様を要確認 | 対応 | デュアルeSIM対応 | 非対応 | USB-C | 対応 | MagSafeが必要なら注意 |
| iPhone 17シリーズ | 2025 | なし | なし | 対応 | デュアルeSIM | 対応 | USB-C | 対応 | 日本版もeSIM専用 |
| iPhone Air | 2025 | なし | なし | 対応 | デュアルeSIM | 対応 | USB-C | 対応 | 軽量だがルーター専用には高価 |
| iPhone 17e | 2026 | なし | なし | 対応 | デュアルeSIM | 対応 | USB-C | 対応 | eSIM運用前提 |
iPhone 12シリーズは、nano-SIMとeSIMのデュアルSIMに対応しています。iPhone 13シリーズ以降は、物理SIMとeSIMの組み合わせに加えて、2つのeSIMを同時に有効化できます。(Apple Support)
米国版と日本版で大きく違うのはiPhone 14以降
中古iPhoneを購入する際、最も間違えやすいのがSIMスロットの地域差です。
iPhone 12・13シリーズ
アメリカ版も日本版も、基本的に次の構成です。
- nano-SIMスロットあり
- eSIM対応
- iPhone 13以降はデュアルeSIM対応
そのため、日本の物理SIMとアメリカのeSIMを組み合わせるなど、柔軟な運用ができます。
iPhone 14・15・16シリーズ
アメリカ版はeSIM専用です。
日本版にはnano-SIMスロットがあり、物理SIMとeSIMを併用できます。iPhone 15 Proの仕様にも、SIMトレイは米国外で購入したモデルに用意されることが記載されています。(Apple Support)
iPhone 17シリーズ
iPhone 17では、アメリカだけでなく日本販売モデルも物理SIM非対応となりました。
日本で購入しても、基本的にeSIMで運用することになります。(Apple)
日本旅行用なら物理SIMとeSIMのどちらが便利?
物理SIMのメリット
- 別のスマートフォンへ差し替えやすい
- SIMカードを目で確認できる
- eSIM設定に不慣れでも使いやすい
- 一部の格安通信サービスを利用しやすい
eSIMのメリット
- 日本到着前に設定できる
- SIMカードを紛失しない
- SIMピンが不要
- 複数のプランを端末内に保存できる
- アメリカ回線を残したまま日本回線を追加できる
現在は日本の主要通信会社や旅行者向け通信サービスでもeSIMが広く利用されています。Appleによると、iPhone 17のeSIMは世界500社以上の通信事業者に対応しています。(Apple)
ただし、日本の電話番号を長期間維持したい場合や、特定の格安SIMを使いたい場合は、その会社がeSIMに対応しているか確認する必要があります。
Wi-Fiルーターとして使うなら、どのモデルが良い?
コスト重視ならiPhone 12
iPhone 12は、5G、eSIM、MagSafeに対応しており、中古価格も比較的安くなっています。
ただし、発売から年数が経っているため、バッテリーの状態には注意が必要です。
購入後にバッテリー交換をする前提なら、低予算のルーター端末として活用できます。
最もバランスが良いのはiPhone 13
iPhone 13は、日本旅行用・モバイルルーター用として非常に使いやすいモデルです。
- 物理SIMスロットあり
- eSIM対応
- デュアルeSIM対応
- MagSafe対応
- 5G対応
- iPhone 12より電池持ちが改善
- 中古価格がこなれている
アメリカのSIMを物理SIM、日本の回線をeSIMにすることも、その逆も可能です。
日本とアメリカの回線を柔軟に切り替えたい人には、iPhone 13が有力候補です。
小型重視ならiPhone 13 mini
iPhone 13 miniは、コンパクトで軽く、旅行用の2台目として持ち運びやすいモデルです。
SIM仕様は通常のiPhone 13と同様で、物理SIM、eSIM、デュアルeSIMに対応しています。(Apple Support)
ただし、テザリングを長時間使うとバッテリー消費が早くなります。
MagSafeバッテリーやモバイルバッテリーを併用することを前提にすると、非常に便利な旅行端末になります。
USB-Cを優先するならiPhone 15または16
旅行中のケーブルをUSB-Cに統一したい場合は、iPhone 15以降が便利です。
MacBook、iPad、モバイルバッテリー、イヤホンなどと同じUSB-Cケーブルを使えるため、荷物を減らせます。
日本版iPhone 15・16なら物理SIMとeSIMの両方を利用できますが、米国版はeSIM専用です。日本版iPhone 15は、nano-SIMとeSIM、デュアルeSIMに対応しています。(Apple)
長時間のテザリングならPlusまたはPro Max
Wi-Fiルーターとして長時間使う場合、本体サイズよりもバッテリー容量が重要です。
次のような大型モデルが向いています。
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone 13 Pro Max
- iPhone 14 Plus
- iPhone 15 Plus
- iPhone 16 Plus
- 各世代のPro Max
ただし、ルーター専用端末として購入するには価格が高くなりやすいため、中古価格とのバランスを見て選びましょう。
MagSafeはルーター運用でも便利
MagSafeは、単なるワイヤレス充電機能ではありません。
旅行やテザリング用途では、次のような使い方ができます。
- MagSafeモバイルバッテリーを装着する
- 車載ホルダーへ固定する
- スタンドに取り付ける
- デスク上で充電しながらテザリングする
iPhone 12以降の通常モデル、mini、Plus、Pro、Pro Maxは、基本的にMagSafeへ対応しています。
一方、iPhone SE 第3世代や一部の「e」モデルは、MagSafeを標準搭載していません。
マグネット付きケースで似た使い方はできますが、純正のMagSafe対応とは異なるため、バッテリーや充電器との相性を重視する場合は注意しましょう。
LightningとUSB-Cはどちらが良い?
Lightningが向いている人
- すでにLightningケーブルを多く持っている
- AirPodsや旧型iPadとケーブルを共用したい
- 中古端末の価格を抑えたい
iPhone 12、13、14シリーズはLightningです。
USB-Cが向いている人
- MacBookやiPadとケーブルを共用したい
- 旅行のケーブルを減らしたい
- 今後長く使用したい
- モバイルバッテリーから充電しやすくしたい
iPhone 15以降はUSB-Cです。標準モデルは主にUSB 2相当のデータ転送ですが、Proモデルは高速なUSB 3転送に対応する世代があります。iPhone 16の標準モデルはUSB-CとUSB 2に対応し、iPhone 17 ProはUSB 3、最大10Gb/sに対応しています。(Apple Support)
Wi-Fiルーターとして使うだけなら、転送速度の差はあまり重要ではありません。ケーブルを統一できることの方が大きなメリットです。
目的別おすすめモデル
| 使い方 | おすすめモデル | 理由 |
|---|---|---|
| とにかく安く用意したい | iPhone 12 | 5G、eSIM、MagSafeに対応 |
| 総合バランス重視 | iPhone 13 | 物理SIM、デュアルeSIM、電池持ちのバランスが良い |
| 小型・軽量重視 | iPhone 13 mini | 持ち運びやすく、物理SIMとeSIMに対応 |
| 長時間テザリング | iPhone 13 Pro Max、14 Plus以降 | 大型バッテリーで持続時間を確保しやすい |
| USB-Cが必要 | iPhone 15以降 | 周辺機器とケーブルを統一できる |
| 日本の物理SIMを使いたい | iPhone 13以前の米国版、または日本版14〜16 | SIMトレイを搭載 |
| eSIMだけで問題ない | 米国版iPhone 14以降、iPhone 17シリーズ | 複数eSIMを保存・切り替え可能 |
| 日本と米国の回線を柔軟に使いたい | iPhone 13 | 物理SIM+eSIMとデュアルeSIMの両方に対応 |
中古iPhone購入時のチェックリスト
旅行用の中古iPhoneを買う場合は、価格だけで決めず、以下を確認しましょう。
SIMロック
「SIMロックなし」と表示されることを確認します。
IMEI・ネットワーク利用制限
盗難品や支払い未完了の端末でないか確認します。
Activation Lock
前の所有者のApple Accountが残っている端末は使用できません。
初期設定画面まで進めること、または「探す」が解除されていることを確認します。
バッテリー最大容量
長時間のテザリングを考えるなら85%以上が一つの目安です。
物理SIMトレイ
米国版iPhone 14以降にはSIMトレイがありません。
商品写真だけでなく、モデル番号や購入国も確認しましょう。
修理履歴
設定の「一般」→「情報」に「部品と修理の履歴」が表示される場合があります。
非純正バッテリーやディスプレイが使われていないか確認すると安心です。
テザリング専用iPhoneを使う際の注意点
iPhoneをモバイルルーターとして長時間使うと、本体が熱くなることがあります。
特に次の条件が重なると発熱しやすくなります。
- 5G通信
- 複数端末の接続
- 充電しながらのテザリング
- 夏の車内
- ケースを付けた状態
- 動画視聴や大容量ダウンロード
高温になった場合は、直射日光を避け、ケースやMagSafeバッテリーを一時的に外しましょう。
また、常時充電し続けるよりも、必要に応じて充電する方がバッテリーへの負担を抑えやすくなります。
結論:旅行用ならiPhone 13が最も扱いやすい
日本旅行用とアメリカでのWi-Fiルーター利用を両立するなら、価格・SIMの柔軟性・バッテリー・MagSafeのバランスが良いのはiPhone 13です。
特にアメリカ版iPhone 13は、
- 物理SIMスロットあり
- eSIM対応
- 2つのeSIMを同時利用可能
- MagSafe対応
- 5G対応
という特徴があり、日本とアメリカを行き来する人に向いています。
持ち運びやすさを優先するならiPhone 13 mini、電池持ちを優先するならiPhone 13 Pro Maxも候補です。
USB-Cを優先する場合はiPhone 15または16が便利ですが、アメリカ版には物理SIMスロットがないため、利用予定の日本回線がeSIMに対応しているか事前に確認しましょう。
「物理SIMもeSIMも使いたい」ならiPhone 13、「USB-Cで統一したい」ならiPhone 15以降、「長時間テザリングしたい」ならPlusまたはPro Max。この基準で選ぶと、自分に合った旅行用iPhoneを見つけやすくなります。
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